はじめに
Nikon Z9 を購入してから、約9か月ほど経ちました。
発売は2020年の12月です。
発売から4,5年ほど経とうとしているニコンのフラグシップカメラですが、今からでも購入を考えている方の一助となりますようにレビューを執筆します。
今回はかなり長くなりますので、どうかお付き合いください。
購入した理由
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見た目
第一にやはり見た目です。
他のカメラでは考えられない、ほぼ正方形のボディーでデカくて・ゴツイです。 -
フラグシップ機への憧れ
以前はILCE-7RM3を使用しており、それでも技量に対して十分すぎるカメラでした。
しかし、使っているうちに不満がかなり溜まり、買い替えを検討していました。
色々なカメラを見ているうちに、「どうせなら生涯で1度でいいから一番いいものを使ってみたい」と感じるようになり、購入に至りました。 -
Zレンズを使いたい
CP+での撮影体験でその凄さを感じました。
とくにPlaneやS-Lineのレンズは飛びぬけて凄いと感じます。
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インフルエンサーに影響された
だいたい新しいカメラを購入する際に、「実際に手に取って触ってみる」or「インフルエンサーの情報を見る」というのが定番だと思います。
今の時代、誰しもが情報発信を行える時代です。
実際の使用感レビューをハイアマチュア、プロの方々から気軽に聞くことができます。
Youtubeでレビュー動画を見て影響されてしまいました。
外観とデザイン
購入した理由に先に書いてしまいましたが、ほぼ正方形のボディーでデカくて・ゴツイです。
縦位置グリップ一体型で非常に大柄なボディーです。
縦位置グリップ一体型のフラグシップ機を出しているのは、CanonとNikonのみといったところでしょうか。
Canonは丸みを帯びたデザインです。
一方、Nikonはカクカクしたデザインです。
私個人的には刺さるデザインです。
筆者は手が比較的大きいため、がっつりホールドできます。
手が少し小さい方には厳しいと思います。
縦位置グリップ一体型のため、縦位置でも横位置で撮影したときと同じように撮影できます。
実機を実際に触ると分かりますが、非常に握りやすいグリップです。
画質
高感度
高感度はやはり弱いと感じられます。
もちろん環境によりますが、ISO2000ほどでもノイズが気になることもあります。
ILCE-7RM3を使用していた際はカラーノイズが載りまくりで、ノイズリダクションもできないような状態でした。
それに比べ、Z9はノイズリダクションさえすれば、まったく気にならないと言っていいと思います。
Lightroomでノイズリダクションリダクションをかけてみました。
ツルツルです。
なんと、ISO12800の写真です。
低感度
一方、低感度に関しては文句なしです。
撮って出しで素晴らしい画を出してくれます。
Nikonは風景といった勝手な印象がありますが、まさに風景やスナップを撮るにはうってつけです。
特に驚いたのはダイナミックレンジの広さです。
※以下の写真は少々、コントラストとシャドウをいじっています
高画素であることのメリット
やはりトリミング耐性に優れていることが大きいです。
大きくプリントしない限りは高画素なんて要らないといわれるかもしれませんが、拡大したときにカリカリに解像している感じがたまりません。
DXクロップしても、1900万画素ほどは残るのでそのまま使えるのも良い点です。
AF・被写体認識
同時期に発売されていた他メーカーのフラグシップ機と比較すると、厳しいかなという印象です。
今回は、動体撮影に関してのお話です。
イルカのショー
暗い・コントラストの低いシーンはやはり苦手なようです。
3Dトラッキングでイルカの頭に向けロックして追いかけますが、背景の壁にあったり観客席に飛ぶことが多々あります。
こういった際はシーンを狙ってダイナミックAFで撮影します。
イルカのショーだけではなく、泳いでいるアザラシ・ペンギン・魚などもトラッキングして追いかけたり被写体認識を頼り切ることは難しいです。
設定の追い込みが必要です。
※ごめんなさい、データが消えてしまったため写真はありません
次撮影した際に載せます
野鳥
野鳥にはまったく詳しくありませんが、、鳥の種類によっては、鳥として認識しないケースがあります。(ほぼありません)
AFエリアはカスタム、鳥認識で撮影しています。
奥、手前の枝をなぜか誤認識したり、引っ張られたりします。
そういったシーンで適宜、AFモードを切り替えたりするのがテクニックです。
特にレンズのカスタムボタンに、「AFエリアモード循環選択」に割り当てています。
こうすることで瞬時に切り替えることができます。
連写性能
Z9はCFexpress Type-Bのダブルスロットです。
Z8だと、SDカードとCFexpress Type-Bの構成です。
これもZ9を選んだ理由になりますが、片方SDカードでは高速連写の書き込みスピードがボトルネックになる不安があります。
秒20コマ RAW + F* で5秒ほどはバッファが詰まることなく連写しつづけられました。
5秒ほどの長い時間連写することはまずないので十分です。
また、撮影した画像をPCに転送する際も助かります。
やはり、1枚あたりのデータが大きく転送速度が遅ければそれだけ時間がかかります。
CFexpressカードの凄さは柴田さんの動画をご覧ください。
EVFと背面モニター
EVF
定評の通り、素晴らしいです。
慣れてしまえばこんなものだな~と慣れてしまいますが、野鳥撮影の際にその快適性が感じられます。
もちろん、一眼レフの光学ファインダーと比較してしまうと室内などではやはりEVFだなと思うことはあります。
その真価を発揮するのはやはり、野鳥撮影です。
遅延やブラックアウトは当然のように一切ありません。
見やすさのおかげで、飛び立つ瞬間・羽を広げた瞬間、確実にシャッターを切ることができます。
仕事では普段、R6mk2を使用していますが、その差に驚きます。
R6mk2はファインダーが暗く、ざらつきを感じます。
また、真正面から覗かないと像が歪んで見えます。
(もちろん、R6mk2素晴らしい点はたくさんあります)
Z9はそういったことはありません。
ミラーレスの特権ですが、もう一つ。
非常に強い日差しの環境下でも、撮影した写真をファインダーの中で映し出せるということです。
撮った写真をファインダーでチェックする際にやはり綺麗なのでテンションが上がります。
ちょっとズレますが、野鳥撮影をしててかなり便利だなと思うことがあります。
握った時に届く真ん中のカスタムボタンにサイレント撮影を割り当てています。
鳥さんが近くに来たとしても、シャッター音で驚かせずに撮影できます。
背面モニター
ILCE-7RM3からの乗り換えで最初にびっくりしたのは液晶モニターです。
撮った写真が正しい色・明るさで表示されることに感動しました。
以前は撮影した写真を背面モニターで確認しますが、暗い上に色が違うことでストレスを感じていました。
また、直感的にタッチで操作できるのも素晴らしいです。
バッテリー持ちと耐久性
バッテリー持ち
一本のバッテリーでおおよそ、4000枚から6000枚ほどは撮れるような印象です。
※JPEG+RAW★の分割記録撮影時
耐久性
夏の炎天下で撮影したことはありません。
2時間ほど太陽の当たっている環境で撮影してみましたが、熱停止どころか本体はほんのり熱いとも感じれません。
大柄なボディー全体でしっかり放熱してくれています。
古いカメラあるあるかもしれませんが、急に電源が落ちたりフリーズしたりすることも当然ありません。
安定性も素晴らしいです。
安心して撮影に専念できます。
まとめ
今から買うのはアリなのか?
今年発表されるであろう、Z9ⅱが出るまで待ったほうがいいかなというのが個人的な見解です。
z9からZ9ⅱへのアップデートはD5からD6へのアップデートのようにマイナーアップデートではないかとのリーク情報です。
しかし、搭載されるであろうExpeed8プロセッサーの性能がどれほど底上げされるか注目するべきだと思います。
仮にもプロセッサーが改良されれば、AFや被写体認識の演算処理の性能は上がる可能性は十分あるためです。
そのため、今から買うのは少し待ったほうがいいかな~という印象です。
こんな人は買わないほうがいい
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大柄なカメラを扱うのが難しい人
やはり大きくて重たいボディーです。
頻繁持ち出さないと、いざ撮影の時に筋肉痛になります。
手が比較的小さい人も要注意です。
しっかりグリップに力が入らないと、握りこめません。 -
AF性能や被写体認識の精度を高く求める人
撮影の環境にそれこそよりますが、頼り切ってフレーミングだけに集中できるとは言い切れません。
ただし、まったく使えないというわけではありません。
実際にショールームまで足を運んでみたり、レンタルしてみたりするのが良さそうです。
そうは言っても、レンタルするのは結構高いです。。
やはり、CP+がフィーリングをテストする絶好のチャンスだと思います。 -
予算や維持費をある程度覚悟できない人
ボディーだけではなく、当然レンズや周辺機器を購入する必要があります。
例えば・・・機材 価格 ボディー 約70万円 標準レンズ 約15万円 CFexpress Type-B カード(2枚) + カードリーダー 約5万円 防湿庫 約3万円 合計 約93万円 ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
個人的な見解ですので、どうかご自身の手で触っていただくのがベストだと思います。
参考程度にしていただけますと幸いです。ご覧いただきありがとうございました。